勝負の神様は細部に宿る
ごあいさつ
病院長
先日、地元の地区連合会の方に年末のご挨拶に伺ったところ、職員の通勤時や、「西リハ」・「花の丘」などの看板を付けた法人車両の交通マナーが良いことを褒めて頂きました。また、通学中の交通安全の見守りで歩道に立っている役員さん達に、毎年カイロの差し入れを行っていますが、その気遣いへの感謝も頂きました。職員は毎日、患者さん宅への訪問や送迎、通勤時に地域の生活道路を走ります。もしかするとご迷惑をかけていることがあるかもしれないと心配していましたが、このような感謝とお褒めの言葉を頂き、大変恐縮いたしました。
先週の金曜日から土曜日にかけて、広島は数年ぶりの大雪が降りました。昼間も気温が上がらず路面が凍結してしまったため、道によっては冬用タイヤでも進めなくなり、路上に放置してある車両をたくさん見かけました。当法人では、このような突然の天候変化に備え、毎年冬用タイヤを履き、通勤できない職員は歩いて通勤するように指導しています。幸い当法人ではこのようなことはありませんでした。最近は大雪が降らないシーズンが続き、大雪を知らない職員も増えてきていましたので心配しましたが、平素から「当たり前」にやっていることが役に立ったのでしょう。地区連合会の方からは、病院周辺の路上に車両を放置する職員がいなかったことについても、「普段から立派な教育をされていますね」と褒めて頂きました。
1ヶ月の熱戦が続いたサッカーワールドカップのカタール大会は、激闘の末、アルゼンチンの優勝で幕を閉じました。今回の日本代表の戦いは素晴らしく、どの選手もチームのために全力で走り続けました。まさに故イビチャ・オシムさんが目指した「人もボールも動くサッカー」(院長ブログ2022年5月)を体現したような戦いだったと思います。
こういう細かいことをおろそかにしてしまうと、結局大きな目標を逃してしまうことがある。普段から一つ一つのことにこだわって物事に取り組んでいると、不思議と最後に神様がご褒美をくれるような気がするんだ。
(2007年11月広島医学会総会 特別講演 岡田武史「勝つための強い組織の作り方」)
私も学生時代のアメリカンフットボールの練習中に、「ダッシュと言ったら線を過ぎるところまで走れ。手前で力を抜くな。」、「笛が鳴るまで相手を押し続けろ。勝手にやめるな。」、「もう1m、いやもう50cmでも相手を押せ」と、うるさいほど先輩から言われました。毎日何十本も同じ練習をしますので、その日の練習を無事終えるために力を加減したくもなりますが、それを見透かしたように「練習で出来ないことは、本番(試合)でも絶対に出来ない。普段の練習から当たり前のようにやっていても、試合の時に出来るかどうか分からない。あと1秒、1cm足りなくてお前のせいで試合に負けることだってある。」と言われました。最初は「うるせーな」と思っていましたが、試合を経験すると、本当にその通りでした。
30年前のドーハの悲劇、4年前のロストフの14秒を経て、日本サッカー界は最後まで何が起きるか分からないことを学び、そして今回、「奇跡の1mm」から、普段から細かいところもおろそかにせず、当たり前のようにやり続けることで、運も結果もつかみとれる可能性があることを証明しました。いつの日か日本代表が決勝戦の舞台に立つのも、夢ではないと思えるようになりました。
私達も当たり前のことをやり続け、その当たり前のレベルを上げていくことで、一歩ずつレベルアップしていきたいと思います。
今年もコロナ対応が大変な時期もありましたが、職員の頑張りや皆様の温かい応援のおかげで何とか無事に1年を終えることができました。また来年も職員一同頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。