「挨拶」の難しさと大切さ

ごあいさつ

西広島リハビリテーション病院
病院長
岡本 隆嗣
はじめまして!このブログは患者さん、ご家族の方、一般の方、そして職員にも、 当病院のことをもっと身近に感じていただきたいという思いで作りました。 日々の出来事の中で私が思ったことをつづっていきたいと思います。
我々リハビリテーションの現場ではコミュニケーション能力が特に必要とされます。以前もお話しした通り、「コミュニケーションの基本は挨拶にあり」、ということで、当法人では、その大切さについて新人研修の時から繰り返し教えています。そのかいあって、患者さんからのアンケートや、来訪された方に「皆がきちんと挨拶出来ており、とても気持ちが良かった。」とお褒めの言葉を頂くことがしばしばあります。
今年1月に、サービス向上委員会主催の外部講師による「接遇研修」を行いました。今回は、ただ研修を受けるのではなく、外部講師の方に朝から夕方までこっそり院内を見回ってもらい、その結果を基に研修をしていただきました。接遇の基本は、表情、挨拶、態度、身だしなみ、言葉遣い、という事でしたが、職員の挨拶に関しては「褒めてもらえるだろう」と勝手に期待していました。

ところが…

 

『「おはようございま~す」と、語尾が間延びしていたり、職員が患者さんといるときは「おはようございます」や「こんにちは」とまずは患者さんに対して挨拶する方が良いのですが「お疲れさまです」と声掛けしたりしていますね』といった具体的な指摘を受けてしまいました。朝から夕方まで現場を見られてのことですので、このショッキングな指摘を受け止めるしかありません。『こういう挨拶をされたら患者さんはどう思われるでしょうか?このような声掛けをされたらご家族はどう思われるでしょうか?』と講師の目線は常に挨拶される患者さんやご家族からのものでした。
自分自身、意識してみると、語尾の間延びや、相手の状況にかかわらず「お疲れさま」と言っているような時がある事に気付いたので、早速挨拶の改善に取り組みました。しかし、意識することで逆に力んで挨拶の言葉が咄嗟に出なかったり、声が小さくなる事が何度かありました。これでは挨拶自体が出来なくなると、まずは「語尾が伸びても良いので、しっかり元気よく挨拶しよう」と思うようにしました。挨拶は普段は考えず「反射的」に行っています。その習慣を変えるのは大変な事ですが、少しずつ変えて行けば良いのではないかと思い、取り組み始めて3ヶ月経ちました。以前より気持ちの良い挨拶が出来るようになった気がします。
しばらく挨拶を意識していたので、街中ですれ違い様に全く知らない人に「反射的」に「お疲れさまです」と言ったことが何度かありました。相手には変な顔をされ、こちらも「しまった」と思いました。しかし考えてみると、知らない人同士が挨拶をしなくなった地域社会こそ、むしろ嘆くべき事なのでしょう。

当法人では、「地域リハビリテーションの推進」を、今後の目標に掲げています。まず我々がすべきことは、「地域を元気にすること」です。そのために、地域の人達と私たちが、お互いに元気良く「挨拶」すること、それが地域リハビリテーションの最初の目標だと思っています。