動物と私

辰年も間もなく暮れて、巳年が始まります。
あらためて十二支の動物を唱えてみると、人間から見て、可愛く思えたり、
役に立ってくれたりするものから、狂暴と恐れられるものまで様々です。

ところで、言葉のデイケアに集(つど)っておられる方々と、よく話題になってきたのは
「犬と猫のどちらが好き?」や「大嫌いな虫は?」など、限られた動物でした。

そこで今回は、日常生活で私たちと関わることのある動物を
皆さんがどう感じているかお聞きしてみることにしました。

動物名を書いた紙を一人一人に配り、全員で声を出して読んだあと
「あなたが苦手な動物は?特に一つを選んで下さい」と伝えました。

紙にあるのは、犬、猫、鶏、蛇、ねずみ、牛、兎、馬、猿、金魚、蜘蛛、その他、なし、です。

グループ6人中4人までが蜘蛛、1人が蛇、1人は「なし」でした。
「なし」の方にサポート役のスタッフが更にお聞きしていくと
「好きな動物は『なし』でどの動物も苦手」が伝えたい事だったとわかりました。

次にどの程度苦手か、「すごく」または「ちょっと」を声に出して言っていただきました。
蜘蛛の4人のうち3人は「ちょっと」と軽く、蛇のかた(男性)は「すごく」と声を大きく震わせて表現して下さいました。
さらに「触ったことのある動物は?」の問いには、5人が7~8種類を選びました。

締めくくりは “つもり” リレーです。
「動物のどれかを手に持ったつもりで隣の人に渡していってもらいます。
手に持ってリレーしてもいいと思う動物は、どれですか?」
と問いかけると「どの動物も苦手」と言っていたかたが「金魚ならよい」と言われました。
「なぜ金魚なら?」「水槽に入っていれば触らずに済むから」のお答に納得し、
水槽を受け渡す仕草で2人、3人と進みましたが、
いつの間にか両手のひらを寄せて中に金魚を入れて、そっと隣に渡すリレーになっていました。

また、先に「蜘蛛がすごく苦手」と言っていたかたが「蛇!」と提案し
自ら蛇をひものように持って隣に放る茶目っ気たっぷりの仕草に全員が爆笑する中、終了となりました。

来年も、このように大きく笑う機会となるようなグループリハビリを企画できたらと思います。