お菓子と私
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このゴールデンウィーク、広島は好天続きで、戸外に出たくなるような毎日でした。
そこで「ご近所に散歩に出て菓子店に立ち寄り、好きな菓子を選ぶ」という寸劇を演じて
いただくことにしました。
導入には「お菓子と娘」(昭和3年発表、西條八十作詞、橋本国彦作曲)の歌詞を紹介しました。
5月のパリの空の下、二人の女の子が街角の菓子屋でエクレアを買い、
ムシャムシャとほおばりながら歩いていく、という情景です。
さて、われらが菓子店の販売品目は、どら焼き、かき氷、ソフトクリーム、エクレア、花見団子、
綿あめ(カラー写真で呈示)です。
店員(スタッフ)の「いらっしゃいませ」に返す挨拶もそこそこ、Aさん(男性)は「どら焼き」
「ひとつ400円です。いくつ差し上げますか。」
「5つ」
「お団子も買われたら、割引になりますが」
「いや、どら焼きだけ」(抱き合わせ販売に断固、のらない口調で)。
隣のBさん(女性)は、先の歌詞のパリを意識して「かき氷を、アン、ドゥ、トゥロワのアン」と
指を1本出しながら注文されました。
Cさん(女性)は店先で深々とお辞儀をされた後、番を待ちかねていたかのように
素早くソフトクリームと綿あめを選び、両手に持って微笑まれました。
この二つが大好き、の気持ちが伝わってくる笑顔でした。
3人の買い物をじっと見ていたDさん(男性)は「花見団子をもらいます」
店員が「みたらし団子のタレをかけましょうか?」
「いや、タレはいりません」
「では、少し焼き目をつけましょうか?」
「ああ、焼くのはお願いします」
寸劇の買い物を拝見していて感じたのは、この場だけではなく、実際の店に行かれても、
皆さんは妥協なく本当に欲しいものを手に入れるための、意志と率直さを持っておられるようだ、
ということでした。