私の流儀
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昨年は大谷翔平選手の「二刀流」に興奮した年でした。
「二刀流」の「流」は、「その人や家に独自の物事のやり方、しきたり」と辞書にあります。ならば、大谷選手のずば抜けた流儀には及ばなくとも、私たち皆が自分の流儀を持っていることから「皆さんそれぞれの流儀を教えて下さい」とお願いしました。話したい流儀の分野(「旅行」「食事・お八つ」「贈り物」「お洒落」「昼寝・夜寝」)をホワイトボードに記して、皆さんの発言を待ちます。
職員が(皆さんの参考になればと)まず自分のことを話します。「旅の土産は、最後の訪問地で買います。できるだけ新鮮なものをあげたいから。」聞いたAさんが話し始めます。「息子は、ひじきや昆布のような乾物ばかりを土産にするんです。年寄りくさいこと!」すかさずBさんが笑いながら「親の躾が良いから」と応じます。
「軽いし傷まないし、良い選択じゃないですか!」と職員。
AさんとBさんのやりとりで場が和み、Bさんもこだわりを披露します。
「今履いてるスニーカー(一流ブランド品)、履き心地は良いし、丈夫。前に別のメーカーの安いのを使ったけれど、ここ(足の甲を覆う場所)が破れてしまった。」派手ではないけれど、いつも吟味して、ご自分に似合う品を身に着けているBさんならではの「お洒落」です。
「Cさんは何にこだわりを持っておられますか?」
「お八つ、です。いつも腹が減ってしょうがない。お八つを食べたい。」
「和菓子と洋菓子、どちらが好みですか?」
「洋菓子。でも家ではお八つがない」と表情が少し曇ります。
せめてデイケアでお出しするお八つが、お口に合っているとよいのですが。
発言の番を待っていたようにDさんがボードの「昼寝・夜寝」を指して話し始めました。「夜、寝る前にテレビを翌朝に見る予定の番組の局に合わせておく。朝は暗くて、操作に手間取るから。」Dさんは、とても早起きなのです。
皆さんの流儀には、職員自身も取り入れたい知恵が光っていました。
2022年は、大谷選手がさらに飛翔し、言葉のデイケアの皆さんが新しい流儀を増やして、さらに個性を発揮される年になりますように。