地域にお住まいの皆様へ

TO  EVERYONE

災害派遣活動報告

2014年8月の大雨による大規模土砂災害における災害派遣活動の報告をさせていただくにあたり、改めて災害により亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
広島県地域リハビリテーション広域支援センターである当院は、広島県災害時公衆衛生チームとして、リハビリスタッフを避難所へ派遣致しました。今回の災害リハビリテーション支援の実状を、継続的支援の必要性をご理解いただく目的でご報告いたします。

活動内容:集団リハビリ・個別リハビリの指導・避難環境整備のお手伝いなど。活動内容:集団リハビリ・個別リハビリの指導・避難環境整備のお手伝いなど。

派遣概要

2014年8月27日(水) 派遣開始
  • 病院長、リハビリ部部長、看護介護部部長、事業局長、理学療法士2名、作業療法士2名
    緑井小学校に入る。他の支援者と合流し、学校の片隅で打ち合わせが始まる。
  • その後理学療法士と作業療法士がペアになって、避難所である三入東小学校・八木小学校に入り、活動開始。
  • 午後から、理学療法士1名と作業療法士1名が被災者の多い梅林小学校へ移動。
第1クール 8月27日(水)~8月30日(土)
  • 理学療法士2名、作業療法士2名
第2クール 8月30日(土)~9月3日(水)
  • 理学療法士2名、作業療法士2名
第5クール 9月11日(木)~9月15日(月)
  • 理学療法士1名、作業療法士1名
第6クール 9月15日(月)~9月19日(金)
  • 理学療法士1名

※引き継ぎの為、終了と開始の日程は重複しています。

打ち合わせの様子

他の支援者と連携・協力しながら支援を行いました。

被災者の方のお話をうかがっています。

被災者の方のお話をうかがっています。

派遣スタッフのコメント

理学療法士

災害派遣初日、三入東小学校に入りました。渋滞で移動が大変でした。避難者の皆さんは教室の床にマットを敷いて寝ていらっしゃいましたが、授業が始まるということで、体育館に移られていました。床は冷たく、大変さが分かりました。4日間おうかがいして私もかなり疲れましたので、避難者の皆さんの心労は大変なものだと思います。
現場では、リハビリテーションの啓発と、お困りごとの確認、療法士としてのアドバイスなどを行いました。看護協会や保健所の保健師さんたちと連携して活動し、組織力の高さを感じました。

理学療法士

特に初日は、たくさんの方が避難所にいらっしゃいました。午前中に入った八木小学校は、校舎から見える景色では被害状況は分かりにくく、避難されている方々の顔つきも穏やかな方が多かった印象ですが、梅林小学校では向かう道中や校舎のまわりにも土砂があったり倒壊した家屋があるなどし、またマスコミも多く詰めかけていたので、皆さんの顔もこわばっていました。そんな中、何ができるか、どういう方に支援が必要だろうかと、手探り状態でした。
4日目になるとだいぶ落ち着いてこられて、介入を受け入れていただきやすくなりました。支援に来られている他の団体のリハビリスタッフの活動の様子を見ていると、技術的な面のみならず、介入の仕方、情報のやりとりなど、学ぶところが多かったです。

作業療法士

初日は、避難されている人のお話を聞きにいってもいいのだろうかと戸惑う状況でしたが、少しずつお話を聞いていると、案外話をしたい、聞いて欲しいというお気持ちがあるのか、よく話をしてくださいました。私たちもすぐに何かができるというわけではありませんが、例えば話を聞いていて、高齢者の方にはペットボトルのふたが開けにくいということで、簡単なボトルオープナーをお渡しすると、次々に私も欲しいと要望があがりました。避難所では、単にリハビリのために体を触るというのではなく、話を聴くことが大切だと思いました。話を聴くことで、できることに1つ1つ対応していくことが、まず大切なのだと思いました。

作業療法士

専門職としてリハビリテーションの支援を、とはいっても、初めは正直いって何もできないので、まずはいらっしゃる方とお話をしました。そして実際に腰が痛い、膝が痛いと言われると、理学療法士につないで、横で話を聴いたりしていました。私は地域連携室の担当で、普段は患者さんとしっかり接することがほとんどありませんので、避難されている方と接することが新鮮で、改めて医療職であること、人と接する事の素晴らしさを感じました。
病棟でのリハビリテーションでは、患者さんの健康状態や心身機能についてだけでなく、環境因子(住環境や人間関係など)や個人因子(価値観やライフスタイルなど)を含めた、「生きるということの全体像」をとらえてアプローチします。今回私たちが対応した避難者の方たちは、そうした環境因子や個人因子が、災害によって突然一変してしまったことになります。今回の経験で、特に避難者の方々の環境因子や個人因子にアプローチする中で、単に訓練としてだけではない、リハビリテーションの本当の広い意味を考えさせられました。

病院長コメント

派遣された職員の話を聞きました。7時に病院へ集合し、20時過ぎに帰ってきます。身体も疲れますが、災害支援は気持ちが一番疲れるようです。
災害派遣先での避難者の方への支援は、病棟でのリハビリテーションに通じるところがあります。避難所では、まず生活を行う上での食事・トイレ・睡眠・入浴といった支援が大切ですが、これは回復期リハ病棟のケア10箇条にある事柄と同じで、リハビリテーションの基本姿勢です。また、精神的ケア、心理的支援がまず必要だということ、これも、突然の発症で障害を負ったリハビリテーションの患者さん・ご家族への支援と同様です。
こうした災害支援で迅速に行動するためには、日ごろから行政や各職能集団との連携を密にしておくことが大切です。ばらばらで行動しても、それは個人レベルのボランティアと変わりません。リハビリテーション支援は、組織的支援で行うものです。平素からの声掛けや、行政との連携が不足していたことを痛感しました。地域連携の大切さを再認識する機会ともなりました。

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